粗彫り~
細部まで手を加えずにざっと彫ること。また、そのような彫刻物。
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細かなことが気になって、一つ所でひっかかると全く動かなくなる事がある。
「いかんいかん」と思いつつも「わかっちゃいるけどやめられない」。
では、そのこだわりが何かの実を結ぶ事があるのかというと、そんな事はほぼほぼ無く・・。
昔の人は、ナントカの考え休むに似たり、とも。
そんな馬鹿らしさを例えるならば、大きな木の塊を前にしていきなり仏様のお顔を彫り込もうとしているようなものだろうか。
表面にいくら細かく彫ろうとも、その部分は全体から見れば捨てられる部分なのだ。
正しくは、木の中に仏様のお姿をきっちりと思い描いた上で、まずいらない部分を削ぎ落としていく。
そして、全体の輪郭が浮かび上がったところで、ようやく細部を彫り込んでいく。
具体的に例えると、細部しか見ていない事のバランスの悪さというものが身にしみる。
いらぬこだわりが顔をのぞかせようとする時に、この彫刻の映像を思い浮かべると・・その愚に早めに気づけるかも。