鍼灸治療って畑の土づくりみたいなものなんですよ。
これは患者さんとの話の中で、ふと出た言葉。
老舗の洋食屋さんにて、素材の味を活かす優しいソースと、
食べ進む中で完成されていく味、というものに出会った。
その料理に感動した後ぼんやり考えていたのは、
「鍼灸治療もこうありたい」ということだった。
―臓器や消化管・骨格は、入れ物や管にすぎない。
その中を流れるものこそが、人の身体にとって本質的なものなのである―
「気 流れる身体」石田秀美 著
通勤電車の中で、ちょっと前まで読んでいた本。
三歳の子供の生体肺移植手術のニュースがありました。親子であるのが幸いで、他人同士の移植ともなれば、 もはや人智を超えているように思えてなりません。
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科学が進歩しても、命の全体はわかりません。瞬間に爆発するようなダイナミックなエネルギーであり、 目には見えない細かいゆらぎでもある、 それが身体であり命です。
生きた身体を生きたままとらえる事は難しく、 こころとからだは切り離して考えられてきました。
鍼灸の立場は、明確です。 生きた身体を生きたままとらえるのが鍼灸です。
こころとからだを切り離すこともありません。
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ひそかに思っていることがある。五兪穴の運用法は「鍼師が自らを治療する中」で磨き上げられていったものではなかろうか、ということである。
五兪穴は「井・滎・兪・経・合」の五穴。すべて肘より先、膝より先にある経穴で、臨床上とても重要な「ツボ」となる。流派や理論の違いはあってもこの五兪穴の役割は等しく大きい。
五兪穴、原穴、郄穴、絡穴、募穴、背部兪穴とある要穴の中でも、「五兪穴」にはひとつの家族のようなまとまりを感じる。「原穴、郄穴、絡穴」にはその親戚くらいの距離感を感じるし、「募穴、背部兪穴」などはまったく別の一族という感じがする。要穴とひとくくりには出来ないそれぞれの「生い立ち」がある。
「全身調整」と聞くと何を想像するか?
まず思い浮かぶのは「骨格調整」や「姿勢・バランスの調整」といった、
形のはっきり見えるもの。
次に浮かぶのは「自立神経調整」や「血のめぐりの調整」といった、
直接は見えないけれども、形のわかるもの。
では、経絡治療でいうところの「全身調整」とはどのようなものか?
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「鍼灸治療は料理と似ている」ということばを、
恩師の先生から聞いた事がある。
そう話された先生ご自身、お料理がお上手だった。
「未病を治す」ってどういうことだろう?
鍼灸学校時代から、もんもんと考えていた事です。
「古いものは新しい 新しいものはもう古い」
これは、知人の絵本作家の方から頂いた今年の年賀状に書いてあった言葉。
かわいいだけではなく、インパクトのある絵を描かれる作家さんで、
当院のチラシの絵も描いて頂いた。
鍼灸院のチラシとして、インパクトのある絵はどうなんだ?
と賛否両論だったけれども・・・。
「鍼灸師さんって、何か学校に通ったりとかするんですか?」
このような質問をされることも、あります。
・・・・・・・認知度が低いっ!!
鍼灸師・・正確には、はり師、きゆう師の資格は、
それぞれ別々なのですが、
はり師、きゆう師、あん摩マッサージ指圧師は、
国家資格になります。