老舗洋食屋にて鍼灸の極意を思う

老舗の洋食屋さんにて、素材の味を活かす優しいソースと、
食べ進む中で完成されていく味、というものに出会った。

その料理に感動した後ぼんやり考えていたのは、
「鍼灸治療もこうありたい」ということだった。

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鍼灸治療を構成する「空間軸」と「時間軸」、
その「時間軸」についてちょっと思いめぐらしていた。

いただいたものは、ハンバーグステーキだったのだが、
はじめは「もの頼りない」くらいに思えた味が、
積み重なることでゆっくりと完成されていくのには驚いた。

最後は一口一口確かめながら食事を終えたほど・・。
食べ始めから食べ終わりまでの時間が計算されているなんて、凄い。

薬味や調味料を継ぎ足して味に変化をつけるものはよくあるけれど、
同じ一皿の中で時間の流れを感じるなんて、なかなかない体験だ。

はじめに「インパクト」を感じるものは、
積み重なるにつれやがて負担になっていくのかもしれない。

素材を活かすとはどういうことか?
互いに引き立て合うとはどういうことか?
調和するとはどういうことか?

あれこれと思いめぐらさずにはいられない一皿だった。

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身体にとっての刺激についても考える。
そんなに多くのものを身体に与える必要は、たぶんないのだと思う。少しで充分。

積み重ねる事でゆっくり変化することが大切。
それが、時間軸の視点。

大きな「インパクト」を与えると、それ相応の反動がある。

急激な変化には、応える身体も大変なのだ。
それは、時には必要で、時には不要なもの。

身体を活かす治療って何だろう?

※ちなみに、洋食屋さんのレポートはこちら・・・
「欧風料理 重亭」
http://you-sinkyu.blog.so-net.ne.jp/2013-10-10