「魚の目は焼かない」というのは、井上恵里先生の講義録で読んだ記憶がある。
知熱灸を試そうと思った背景には、その事があったと思う。
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先生は「お灸は熱いもの、という認識は明治以降のものにすぎない」と言われていた。
魚の目は焼く必要はなく、柔らかなお灸を据え続ける事で、内側から元気になって、やがて自然にとれていくもの、といった風に説明をされていた。
熱い熱は表面を焦がすだけだが、温かい熱は内部にまで浸透する、とも説明されていた。低温やけどがその例。
先生は「知熱灸で」とは言われていなかったけれど、「温感ならば」と試した次第です。
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患者さんの感想も「いつものお灸(半米粒大)よりも温かさが後まで残ってる気がする」との事でしたので、やはりじんわり浸透しているのでしょう。
焦灼灸というのは見ようによっては「執拗な攻撃」です。それよりも、知熱灸の「穏便に説き伏せる方法」の方が、全体が上手くいくのかもしれない。
身体は、出来るだけ攻撃しないに越した事はない、と思います。