夜風が身にしみるのは

夜風を心地よいと感じるのは若い証拠である・・・ という話を始めて聞いたときは「ふーん」と思っただけだった。私にとっては風は心地よいものでしかなかった。

風をつらく感じるのは、徹夜明けで寝ていないとか、体調がすぐれない時くらいで、 特別に自分が弱っていない限りは、いつも風は心地よかった。


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母は常に「暑がり」な人だった。 冬でもかなりの薄着で、同じ職場の周囲の若者達も驚いていたらしい。

そんな母が、気がつけばここ最近「寒さ」を口にするようになってきた。 私が心地よいと感じるくらいの風が、母には寒いようだ。昼でも夜でも、窓から強めの風が入り込んでくるとすぐに窓を閉める。 変わるんだなあ、と思う。

雨が降ろうが風が吹こうが、身体の中に元気があればどうって事はないけれど、 身体の中の元気が少なくなってくると、雨でも風でも身にこたえてくる。

親から教わる大切なもの、病むこと、老いること。

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