「舌を診る」のが舌診ですが、これは「舌を診せる」側の話です。
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鍼灸学校時代、舌診が苦手でした。受け手として。
舌診を受ける側は「あっかんべ」の状態で数秒間耐えねばならないのですが、これが結構つらいのです。
診察する側が「うーん。えーと。」とやり出すとこちらの舌も震えてきます。すると「蠕動舌で、気虚。」などと言れたり。
「はい舌の裏側見せて。」
・・ええっ?裏って?どうやって見せるんだ??顎がガクガクするほど頑張って口を開けてみる。そして「そんなに開けなくていいよ。」と言われたり。
舌診とは、なかなかに苦労を強いてくるものでありました。
舌診は自分で鏡で見る事が出来るし、画像にすれば共有する事も出来ます。客観的データとして扱いやすく、現代中医学の診断の中では、舌診は重要な要素でしょう。
ただ・・個人的な思い(好み)として、「あっかんべ」の状態で固定、というのに抵抗があるのです。馴染みません。まったく馴染みません。物理的にも心理的にも。
舌診を診断の核に据えている治療院は、日本の中で一体どれほどあるのだろう?中医学を看板に掲げていても、舌診は使っていないかもしれないし。まったく個人的な素朴な疑問です。