「内なる自然」とか「自然にかえろう」という言い回しがある。
それらの背景にあるものは「人は本来自然な存在である」という発想だろうか。
半分は当たっている(半分は当たっていない)。
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この世界にかたちあるものとして存在する以上、
自然の法則には逆らえない。
水は、熱せられて上へ昇り、冷やされて下へ降りる。
身体の中も、上の方は熱がこもり、下の方は冷える。
春に芽吹き、夏に繁り、秋に実り、冬に眠る。
身体の中も、同じように季節は推移する。
人間の身体は本来、自然そのものだ。
けれども唯一つ、人間は自然界にないものを抱えている。
自然そのものの身体の中に眠る、自然の法則に逆らうもの。
こころ、意識、である。