美容鍼灸は新しいか?

「古いものは新しい 新しいものはもう古い」
これは、知人の絵本作家の方から頂いた今年の年賀状に書いてあった言葉。
かわいいだけではなく、インパクトのある絵を描かれる作家さんで、
当院のチラシの絵も描いて頂いた。

鍼灸院のチラシとして、インパクトのある絵はどうなんだ?
と賛否両論だったけれども・・・。

少し前の事だが、なんとも「力の抜けた」出来事があった。
それは・・・家に帰った私に母が「これは是非とも言っておかねばならん」という勢いで、
「美容鍼灸っていうものがあるらしいで!!」
「北斗晶が顔に100本も鍼さしてたわ!!!」
と、報告してくれた事だ。

私のこのなんとも説明し難い脱力感というか、やるせない感じを・・
推し量っていただけるだろうか?

鍼灸自体の認知度がまだまだ一般的には低い為、
美容という切り口から、なんとか鍼灸の魅力を広めようという、
鍼灸業界の思いが作り出したひとつのジャンル、
それが美容鍼灸(だと思っている)。

鍼灸業界に身を置く立場からすると、
美容鍼灸という言葉が言われ始めてから、随分久しいと思うけれど、
一般的には、まだまだ新しいジャンルなのかもしれない。

肌は内臓の鏡。鍼灸は内臓を整えることが得意な治療。
ということは、そもそも鍼灸治療はお肌に良い。

顔に鍼を行うだけでは、すぐに元に戻る。
大切なのは身体全体の治療をおこなう事。

身体全体の治療を行えば、自ずと肌にはりもつやも出てくる。
ならば、わざわざ顔を鍼山のごとくにしなくとも・・と思う。

体に打つ鍼はより少ない方がいい、と思う。
「美容鍼灸」は今もまだ、新しいのだろうか?