鍼灸とは全身調整

 身体自身が元々持っている元気を取り戻せるように、
 身体全体を調整 していく事が鍼灸の本来のはたらき です。
 身体全体を調整していくことは、遠いように見えて、
 実は 一番の近道 なのです。

  「全身調整」といって思い浮かぶのは、
  まず「骨格調整」や「姿勢・バランスの調整」といった、
  形のはっきり見えるもの。
  次に「自立神経調整」や「血のめぐりの調整」といった、
  直接は見えないけれども形のわかるもの。
  では、鍼灸治療(経絡治療)でいうところの「全身調整」とは、
  一体どのようなものでしょうか?

  鍼灸治療(経絡治療)における「全身調整」を考えるとき、
  「調整役」という役割に例えてみると分かりやすいと思います。
  仕事を調整したり、人を調整したりする、
  調整役の人を思い浮かべてみて下さい。

  一つの部署を優遇すれば、必ず他の部署にしわ寄せが来る。
  そこをどのように「調整」するべきか・・・
  一方の要望を通せば、必ず他方で不満が噴出する。
  どこに「落としどころ」を見つけるか・・・
  調整役の人は、細かく地道に少しづつ、
  時間をかけて説き伏せてまわります。

  そんな地味な縁の下の力持ちのような調整役の「働き」こそが、
  鍼灸治療(経絡治療)でいうところの「全身調整」に相当します。

  身体全体をみて「あちらを盛り立てればこちらを抑え、
  足りていないところには気をくばり、一点だけを見るのではなく、
  関わりのあるものすべてが上手くいくように・・・」
  といった働きかけを行うのが「全身調整」なのです。
  この鍼灸治療(経絡治療)の「全身調整」の事を、
  「本治法(ほんちほう)」といいます。

  「本治法」には「1回受ければウエストが10p細くなる!」
  といったような派手さや華々しさはありません。

  けれど地道に全体を調整していく事で、
  時間が経つにつれその「働き」は、
  大きな「結果」を生む事になります。

西洋医学にない視点

 「身体全体をみる」
 「全体を同時に捉えるシステムがある」
 という事が、鍼灸医学の特徴であり強みです。
 専門分化された西洋医学にはない視点です。

  同じ人の身体でも見方を変えれば、
  見える現象は変わってきます。
  物事に行き詰まった時、
  ちょっと見方を変えてみる事は大切ですよね?
  身体の悩みもちょっと見方を変えてみる事は、
  とても意味のある事なのです。

  西洋医学は、様々な検査数値を用いて、
  身体を細分化してみる事が出来ます。
  「客観性」に支えられている世界である、
  と言えるかもしれません。
  それ故、患者さんの訴える「主観性」は、
  しばし置き去りになることがあります。

  鍼灸医学は「客観性」に乏しいといわれます。
  それは「客観的」な数値で表現できないものを対象としている、
  という事に他なりません。

  痛みなどは数値で測る事の出来ない「主観性」そのものです。
  (ペインスケールもあくまで自己申告であり主観的なものです。)
  患者さん自身が「痛い」「つらい」と感じるものは、
  検査数値で表現できなくとも、
  「痛い」「つらい」ものなのです。

身体の元気を応援してくれるもの達

 当院には電気治療の類は御座いません。
 昔ながらのお灸とはり を用いて全身調整してまいります。
 お灸もはりも、身体に本当にいいものだから長く続いてきたのです。